香ばしさを想起させる還元、ヨード、炙った焼き海苔。
ドライでタンニンも存在感がありますが粒子が細かく貼りつかない。跳ねるような酸、中間からモリモリとあがるジューシーなダークチェリー。純度の高い黒果実の塊が荒々しく躍動する。涼しげな酸味の存在はボルドー的なメルローと一線を画しますが純度の高い果実味はこの地のメルローの可能性を大いに感じさせてくれます。
ヨーロッパの中央に位置し、イタリア、オーストリア、クロアチア、ハンガリーに囲まれたスロヴェニア共和国は、多様性に富んだ地形と複雑で長い歴史を持っています。スロヴェニア北西プリモルスカのゴリシュカ・ブルダ地区、北にアルプス山脈、南にアドリア海を臨む小さな町ノヴァ・ゴリツァ村のほど近くにクメティエ・シュテッカーはあります。
スラヴ系、ラテン系、ゲルマン系の民族と文化が入り交ざるこの町は、イタリアのフリウリ=ヴェネチア・ジューリア州と国境を接しており、フリウリの巨人ラディコンやグラヴナーが居を構えるオスラーヴィアまでわずか2キロほどしか離れていません。
当主ヤンコ・シュテッカーが生まれたのは戦後樹立したユーゴスラビア社会主義連邦共和国の時代になります。化学薬品が流入し、大量生産型のワイン造りに疑問を覚えていたヤンコは誰の真似でもない自然なワイン造りへと回帰していきます。
ヤンコは果皮のフェノール類まで完璧に成熟させます。ヤンコのワインは白ブドウを赤ワイン同様に果皮浸漬させています。果皮浸漬の期間は決めておらず果皮が自然に沈殿するまで浸漬しています。ブドウの質が高いため、不必要な収斂性や歪なフェノールが味わいに反映されず、滑らかで純度の高いエキスを生むのです。(インポーター資料より)
■ワイン情報
[産地]スロヴェニア プリモルスカ スネザトノ村
[タイプ]赤・辛口
[品種]メルロー
[土壌]フリッシュと呼ばれる柔らかい泥灰土、砂岩、オポカ
[アルコール度数]13%
[醸造について]天然酵母のみで自発的な発酵に委ねます。果皮と共に8日間マセラシオン。無濾過
■ドメーヌ情報
[本拠地]スロヴェニア プリモルスカ スネザトノ村
[生産者]ヤンコ・シュテッカー
[栽培方法]自然な栽培
ナチュラルワインとはブドウの栽培が有機であることに加え、天然酵母での発酵、添加物を極力使わないなど人の手でコントロールせずに「限りなく自然に造ったワイン」です。
一般的に自然派ワイン、ヴァン・ナチュール、ビオワイン、オーガニックワインとも呼ばれることがあります。
2023.1月下に試飲しました!(以下、スタッフの独断と偏見ありのコメントです)
軽やかに楽しむ!
【ティスティングメモより】

【好き】 ワインってブドウからできてるんだなと感じられるチャーミングなワイン
【苦手】 口が尖ってしまうほどの酸味と苦みが強いワイン
抜栓3日目に飲みました。
クリアなパープルレッド。
若木や青野菜のフレッシュ感のある香りにヨード香や磯の香り、やや灼けたような香り、さらにミント様のスッとする香りもあって複雑です。
味わいはすっきりとしていてフレッシュ感を感じます。しっかりとタンニンもあってメルローらしい骨組みがあります。
全体的には軽やかなところに位置するワインで、お食事の中盤あたりで飲みたいです。
野菜のグリル、魚介の五目あんかけやきそばなどはいかがでしょうか。