2021年は雨が多く、熟すのに時間が掛かった年。収穫量も少なかったのですが、素晴らしい酸がもたらされました。南・南東・西向き斜面の畑のぶどう。
アプリコットオレンジの濁りある色調。アプリコットや黄桃、キンカンやミカンの缶詰の香りで、口に含むと豊かな果実風味が広がり、丸みある酸が心地よく、余韻も永いです。
キュヴェ名は、”la Nature est Forte”(自然は強い)の文頭に、苗字Carlをくっつけ、”Car la Nature est Forte”(だから自然は強い)とした言葉遊び。
アルザスの中心都市であるストラスブールとコルマールを結ぶワイン街道の中程に位置する村、「ダンバッハ・ラ・ヴィル」にあるドメーヌ。
現在ワイン造りを行うオリヴィエは7代目で、20世紀初頭、祖父母の代では羊飼いをしたり、家畜を飼ったり、野菜の栽培をしたりしながら、ぶどう栽培を行いワインを造っていました。元々は造ったワインを樽に詰めて売っていましたが、1923年、当時としてはとても珍しかった、瓶詰めで販売することを始めたところ、地域のレストランでとても好評となりました。
オリヴィエは2000年からドメーヌの仕事に携わり、2004年19歳の時にワイン造りを父アンドレから継承。
そして完全に有機栽培に移行し、2015年ヴィンテージからラベル上にも「AB認証」と「エコセール認証」を表示し始めました。
またオリヴィエはヴァン・ナチュールの取り組みも始め、2015年ヴィンテージで初めて酸化防止剤を一切使用しないキュヴェを造り、その働きが評価され、2016年からはビネール率いるピルーエットのワインも醸造。
オリヴィエは一部の例外を除いて、現在亜硫酸(SO2)を添加しないワイン造りを貫いています。それにもかかわらずオリヴィエのワインがこれ程までにエレガントで安定している理由は、時間を掛け、ワインが美味しくなるまでじっくりと待つ、ここに尽きるでしょう。
(インポーター資料より)
■ワイン情報
[産地]フランス アルザス
[タイプ]オレンジ・辛口
[品種]シルヴァネール80%、ミュスカ10%、ピノ・グリ10%(樹齢25~55年)
[土壌]砂質花崗岩・シルト状粘土(中粒)
[アルコール度数]12.5%
[醸造について]シルヴァネールとミュスカは全房を即圧搾、ピノ・グリは全房を2週間醸し、野生酵母にて発酵、’22年4月に100年使用しているフードル(大樽)に移して6か月間熟成、SO2(亜硫酸塩)無添加
■ドメーヌ情報
[本拠地]フランス アルザス
[生産者]オリヴィエ・カルル
[栽培について]有機栽培
酸化防止剤無添加のワインでも発酵の際に「自然に」ごく微量の亜硫酸塩が生成されます。
そのため、裏ラベル等に「亜硫酸塩(酸化防止剤)含有」と表記されている場合があります。
ナチュラルワインとはブドウの栽培が有機であることに加え、天然酵母での発酵、添加物を極力使わないなど人の手でコントロールせずに「限りなく自然に造ったワイン」です。
一般的に自然派ワイン、ヴァン・ナチュール、ビオワイン、オーガニックワインとも呼ばれることがあります。