濁った明るく淡いルビー色の外観。野生の野花や香りの強いスミレ、赤系の小粒な果実と言った密度の濃い詰まった感じの香りが支配しています。
時間とともにスモーキーなニュアンスも顔を覗かせるようになり、シガーや革のニュアンスが表れ、1時間後には妖艶な香りを醸し出すようになります。
味わいは、全体的に軽やかでエレガントな仕上り。
ボディが非常に軽やかな質感になっており、柔らかな果実味と極軽いタンニン、活き活きとした酸とのバランスも心地よく、スルスルと飲み進めることが出来ます。
いわゆる薄旨に仕上がったキュヴェで、何のストレスもなく飲むことが出来るので、日曜の午後につい開けたくなってしまう様なワインです。
アルデッシュ地区の南に位置する場所に本拠地を構えるジェローム ジュレ。決して複雑で豊かなテロワールを備えた土地というわけではなく、いわばワイン産地としてハズレのエリア。もともとkg単位幾らで、ブドウを協同組合に売ることで生計を立てるブドウ栽培者がほとんどだった地区で、自家瓶詰めに挑戦し、しかも自然なスタイルのワイン造りに挑戦しました。2006年ヴィンテージのデビュー以来、年々進化を続けて素晴らしい品質のワインを送り出すようになり、現在ではこの地域を代表する人気生産者へと登りつめました。
元々、同地域のナチュラルワイン生産者の先駆者とも言える、ジル アゾーニ氏の下で研修をしていたジェローム。この香り豊かでなめらかなアゾーニのワインに衝撃を受けて、ナチュラルワイン造りを志しました。その後、同地方のドメーヌ マゼルでも研修を重ね、地元に戻った彼は父親の畑を引き継ぎ、組合にブドウを売りつつ、自らの手で開墾するなど栽培面積を徐々に広げていきます。
手つかずの森に囲まれた岩だらけの急斜面には、農薬や化学肥料を使ったことのない古い樹齢のブドウの樹があり、標高の高さとそれに由来する冷涼な気候のおかげで、ブドウはより長い時間をかけて根を張り、そのお陰でテロワールから吸収したアロマや個性をより一層凝縮させることが出来ます。
ジェロームが師事したジル アゾーニ、ジェラール ウストリックという二人の生産者もこの地の先鋭的存在ですが、年を重ねる毎に進化を続けていったジェローム ジュレは、名実ともにこの地域を代表する生産者となり、オジル、ドゥ テール、マス ド レスカリダ、シルヴァン ボックなど、今や新世代の若手生産者にとってのリーダー的存在となっています。
(インポーター資料より)
2015年6月ジェローム・ジュレを訪問してきました。
blogにてご覧いただけます。
■ワイン情報
[産地]フランス ローヌ地方アルディッシュ
[タイプ]赤・辛口
[品種]カリニャン、アリカンテ
[アルコール度数]12%
[醸造について]無濾過 SO2(亜流酸塩)無添加
■ドメーヌ情報
[産地]フランス ローヌ地方
[設立年]2006年
[栽培方法]ビオロジック
酸化防止剤無添加のワインでも発酵の際に「自然に」ごく微量の亜硫酸塩が生成されます。
そのため、裏ラベル等に「亜硫酸塩(酸化防止剤)含有」と表記されている場合があります。
ナチュラルワインとはブドウの栽培が有機であることに加え、天然酵母での発酵、添加物を極力使わないなど人の手でコントロールせずに「限りなく自然に造ったワイン」です。
一般的に自然派ワイン、ヴァン・ナチュール、ビオワイン、オーガニックワインとも呼ばれることがあります。