テール・ドーブというキュヴェ名は、この区画の特別な土壌を表しているとの事。この畑は近年新しく植樹された区画で、その苗木はこの地方のビオディナミ栽培のメンター的存在であるミシェル・オジェの所有していたソーヴィニヨン・ブランをセレクション・マサル(とある範囲の区画から優良な形質を持っているブドウ樹をいくつか選び、そこから接ぎ木に使う穂木を採取する方法)と呼ばれる手法で選抜されたものを用いています。
樹齢こそ若いものの耕耘には彼の長年の愛馬であるフェノメン(白い馬)と2013年シーズンからあらたに加わった若いヴォードック(黒い馬)の2頭のみで行い、トラクターを用いません。馬での耕耘は、非常に手間がかかる作業で時間効率もよくありませんが、重いトラクターによる作業が土に与える影響などを考え、アレクサンドル・バンは出来る限りの面積を馬で耕耘したいと考えています。
香りにはアレクサンドル・バンらしい蜜のような濃密なフレーバーがあり、華やかさ、香ばしさなどがバランス良く共存しています。口に含むとシャープさ、クールさ、しっかりとした密度を感じるソリッドな味わいがあり、今までの彼のワインにはないキャラクタに少し驚かされます。豊かな果実味はもちろんあるのですが、そこに重層的に硬質なミネラル感と品の良い酸があり、それが全体の味わいを引き締めています。アレクサンドル バンのワイン史上もっともクールなワインと言えるかもしれません。
自身の手がけるワインから恒久的にプイィ フュメを名乗ることを奪われたアレクサンドル・バン。
それでも変わらぬ情熱と純粋なワインへの想いを胸に、「自分はあくまで、この土地の純粋さを追求したワインを造り続けている。」と声高に主張し、不屈の精神でワイン造りにあたっています。(インポーター資料より)
■ワイン情報
[産地]フランス・ロワール地方プイィ・フュメ
[タイプ]白・辛口
[品種]ソーヴィニヨン・ブラン100%
[アルコール度数]13%
[醸造について]自然酵母にてステンレスタンクで発酵後、熟成。SO2(亜硫酸塩)無添加
■ドメーヌ情報
[設立]2007年
[所有畑]11ha
[栽培]有機栽培
[土壌]地表の下に石灰の岩盤があって、その上には小石、地表近くは砂状の土質
酸化防止剤無添加のワインでも発酵の際に「自然に」ごく微量の亜硫酸塩が生成されます。
そのため、裏ラベル等に「亜硫酸塩(酸化防止剤)含有」と表記されている場合があります。
ナチュラルワインとはブドウの栽培が有機であることに加え、天然酵母での発酵、添加物を極力使わないなど人の手でコントロールせずに「限りなく自然に造ったワイン」です。
一般的に自然派ワイン、ヴァン・ナチュール、ビオワイン、オーガニックワインとも呼ばれることがあります。